共通テスト利用って、マークミスの確認になるって本当?
受かりそうな大学に出しておけば安心できるって先生が言ってたけど…出した方がいいのかな?
特に高3の夏以降、急にこんなことを考えて迷い始めてしまうことがあります。特に国公立大学を目指す受験生の多くは、共通テストの結果が命運を分けるからこそ、「ミスしていないか」を確認したくなるものです。
しかし実は、「共通テスト利用でマークミスを確認する」という考え方には、思わぬ落とし穴があります。
この記事では、共通テスト利用方式の正しい意味と、「確認目的で出願する」ことのリスクを、呉市の学習塾・コムタス進学セミナーの視点からわかりやすく解説します。安心して本番を迎えるために、正しい知識を知っておきましょう。
- 共通テスト利用でマークミスを確認することはできない。
- 共通テスト利用は「安心のため」ではなく、「進路を確保するため」の制度。
- マークミスの確認は出願ではなく、自己採点と日頃の練習でカバーしましょう。
共通テスト利用とは?まずは仕組みを理解しよう
私立大学の入試方式のひとつ「共通テスト利用」について、ざっと仕組みをおさらいしましょう。
共通テスト利用入試の基本的な仕組み
「共通テスト利用入試」とは、共通テストの得点だけで私立大学が合否を判定する入試方式のことです。一般選抜のように大学ごとの筆記試験を受けず、共通テストの得点だけで結果が出ます。
ちなみに似たような名前で「共通テスト併用入試」というのがありますが、これは各大学独自の筆記試験も受ける必要があります。
この記事で扱うのは「共通テストの点数だけで合否判定される方式」です。
国公立志望の受験生が利用する目的
国公立大学を第一志望にしている受験生にとっては、共通テスト利用入試は「試験会場に行かなくても合否判定してもらえる方式」としてよく使われます。
私立大学の個別試験を受けに行く手間を省きつつ、共通テストの得点を活かして合格を確保する手段ということですね。いわば「共通テストでの頑張りを私立大学にも使う」仕組みといえるでしょう。
ただし、裏を返せば共通テスト本番の点数が想定より低かった場合、出しても意味がないこともあります。
簡単に出願できるからこそ、ボーダーとなる学力レベルは一般選抜よりだいぶ高く、大まかに表現すると「共テ利用にするとレベルが1ランク上がる」感じになります。感覚的なものも含めて一部をまとめると、次のような感じです。立命館大学の一般選抜と共テ利用を比べると、共テ利用の方が1ランク上がっている感じがするでしょう。
- 神戸大学≒ 同志社(一般選抜)≒立命館(共テ利用)
- 広島大学≒立命館(一般選抜)≒近大理工(共テ利用)
この状況についてより詳しく調べた記事は以下にあります。ぜひお読みください。

ちなみに出願〆切は多くの大学で複数回用意されていて、共通テストの自己採点が終わってから出願できる日程もあります(その分、合格発表の日付も遅くなります)。
「マークミス確認のために出す」は本当に正しい?

それでは、高3の夏休み以降から冬にかけてよく聞く「共テ利用=マークミス確認」という説について考えていきましょう。
よくあるアドバイスの内容と意図
毎年、9月か10月ごろになると、生徒からこんな質問をよく受けます。
受かりそうなところに共通テスト利用で出しておけば、マークミスの確認になるって聞いたんですけど、本当ですか?
学校の先生や先輩から、こうしたアドバイスを聞いたことがある人も多いでしょう。
その意図は、「受かりそうな大学に共テ利用で合格できた=大きなマークミスをしていないという安心材料になる」というものです。
つまり「ちゃんとマークできていたか不安だから、合格という結果で確認したい」という心理ですね。
しかしこの考え方には、少し危ういところがあります。
実際は確認にならない理由
まず大前提として、共通テスト利用の合否は「あなたの点数が何点だったか」ではなく、「他の受験生と比べてどの位置にいるか」で決まるということを忘れてはいけません。
合格最低点は年度内ははっきり公表されないので、仮に結果が不合格だったとしても、「マークミスしたから」なのか、「思っていたより最低点が上がっただけ」なのかは判別できません。
逆に、もしマークミスをしていたとしても、もともとの得点が高ければそのまま合格してしまうこともあり得ます。
つまり「合格したら、マークミスしていない証拠になるだろう」と思っていても、実際には大して確認にならない仕組みなのです。
不安を増やすおそれに注意!
もちろん「自分の得点よりはるかにボーダーの低い大学」に出願すれば、マークミスがない場合はほぼ間違いなく合格するでしょう。恐らくそのような大学には進学しないでしょうが、「確認のため」なら出願する意味はあると思うかもしれません。
しかしここに落とし穴が潜んでいます。
考えてみてください。もし不合格だったらどうしますか?
「マークミスがなければ間違いなく合格する」ような大学に、不合格になった。あなたはどう思うでしょうか。
「もしかして、マークミスしたのかも?」…多分、そう思うでしょう。実際にマークミスのせいで大量に失点しているのかもしれません。
問題は「だからといって今さら何の行動も取れない」という点です。
共通テスト利用の結果が出るのは国公立大学への出願〆切より後なので、
共通テスト利用で不合格になった
→どうやらマークミスで自分の点は自己採点より低いらしい
→出願する国公立大学を変更しよう
という行動を取ることができません。
だからあなたは「自分の点はだいぶ低いらしい」「ただし何点か分からない」という不安を抱えたまま、本命の国公立2次試験に向かうことになります。
このように、「確認のつもり」だったのにかえって不安を大きくしてしまう上、修正のための行動を取れない。これが、共通テスト利用を「マークミス確認」目的で出す最大の問題点なのです。
このように考えると、共通テスト利用を「確認のために出す」ことは、合理的でも効果的でもないといえるでしょう。
共通テスト利用方式の正しい使い方
共通テスト利用方式の正しい利用方法を説明します。本来の意味を押さえておきましょう。
共通テスト利用の真の目的は?
共通テスト利用入試は、「マークミスの確認のため」に使うものではなく、「安全校を確保するため」に活用するのが正解です。
もっと言うと、出願するだけで合格しそうな大学を押さえることで、本命の私立大学や国公立大学への準備のために時間を残すことが真の目的です。共通テストから国公立2次試験までには4~5週間しかないので、1日潰れる受験はできるだけ避けたいですからね。
また、忘れてはいけないのが「本命の私立大学や国公立大学に不合格になる」こともある、ということです。その場合は「安全校」と思っていた、共通テスト利用方式で合格した大学に進学することになるかもしれません。そのときになって「合格はしたけど進学する気はない」と慌てないように、進学するつもりのあるレベルの大学に出願しないといけませんよ。
こう考えていくと、もしかすると「共通テスト利用で合格しそうな大学には進学したい大学がない」と思う人もいるかもしれません。その場合は共通テスト利用で出願せずに、一般受験の回数を増やしてチャレンジすればいいですよ。共通テスト利用方式は、無理に使わなくてもいいのですから。
ライター横川受験が近づいてくると、頭の中が「どこかに合格すること」でいっぱいになってしまって、本来の目的を見失ってしまうことがあります。そんなときは信頼できる学校・塾の先生に相談するといいですよ。
マークミスへの備えは「結果」ではなく「プロセス」で
ここまで述べてきたように、マークミスのチェックのために「共テ利用の合否」を利用してはいけません。
愚直な方法ですが、日頃のチェック体制を整えるという本道を進むのが結局は一番安心できます。
日頃のマーク模試において、以下の行動ができているでしょうか?
- 成績表が戻ってきたときに「自己採点と実際の結果にズレがないか」を常に確認する
- 試験中の確認手順のルーティンが決まっている
こういったことを繰り返すだけで、本番のミスは大幅に減らせます。
まとめ
この記事では、「共通テスト利用でマークミスを確認できる」という考え方が本当に正しいのかを考えてきました。
結論として、次の3点を覚えておいてください。
- 共通テスト利用でマークミスの確認はできません。
- 共通テスト利用は「安心のため」ではなく、「進路を確保するため」の制度です。
- マークミスの確認は出願結果ではなく、自己採点と日頃のチェックで行うのが正解です。
「確認のために出す」という目的で出願してしまうと、不合格だった場合に「マークミスしたのかも」という不安だけが残ってしまいます。しかも、共通テスト利用の結果が出る時期には、もう国公立大学の出願変更はできません。つまり、確認にならない上に、行動も変えられないというのが最大のリスクです。
一方で、共通テスト利用を「安全校の確保」や「試験日程の負担軽減」といった本来の目的で使うのはとても有効です。そのうえで、マークミスの不安は「自己採点を正確に行うこと」で解消していきましょう。
コムタス進学セミナーでは、共通テスト後の自己採点確認や出願相談を通じて、一人ひとりの戦略を一緒に考えます。不安を減らして、自信を持って本命の入試に臨みましょう。
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少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
私大の共通テスト利用方式でどのくらいレベルが上がるのか、客観的データから調べた記事はこちらです。











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