呉三津田高校の進学実績って?どのくらいの偏差値の大学に行けるの?

呉三津田高校正門

呉三津田高校の進学実績は?

頑張れば広大ぐらいは届くのかな?

お子様が三津田を目指している場合(または在学している場合)、保護者の方は当然「その先」も見据えていらっしゃるはず。私たちが24年間蓄積してきたデータだけでなく、「生の感触」も含めてお伝えするので、三津田に進学したあとのイメージづくりに役立ててくださいね!

この記事の結論
  • 呉三津田高校から旧帝大や医学科を目指すなら学年1桁。広大なら50位以内が目安。
  • 高校入試の偏差値が64の場合、偏差値64の大学に行くのは大変。
  • そもそも国公立大学は門戸が狭いので早め早めの対策が必要!
目次

呉三津田高校の進学実績を24年分データでおさらい

呉三津田高校は、呉市内では昔から「トップ校」として知られてきました。その実力はいまも健在なのでしょうか?ここではまず、コムタス進学セミナーが24年間蓄積してきた進学データをもとに、呉三津田高校の実績を客観的に見ていきましょう。

旧帝大+神戸大、広大+岡大、近隣国立大のそれぞれに対し、2002年から毎年何人の合格者を出しているかをグラフ化したものがこちらです。

三津田から旧帝大+神戸大への合格者のグラフ
三津田から広大+岡大への合格者のグラフ
三津田から中四国国立大への合格者のグラフ
グラフからわかる三津田のトレンド
  • 最上位層からは、今も東大・京大・阪大・九大といった旧帝大をはじめとする難関国立大への合格者が安定して出ています。ここ10年でやや減少傾向にはありますが、それでも2025年春の実績では旧帝大+神戸大に13名が合格し、呉市内では圧倒的トップです。
  • それに次ぐ上位層の主な進学先は広島大学です。広大だけで例年30名前後の合格者を出しています。恐らく成績上位者の現実的な第一志望として意識されているのだろうと思われます。
  • 愛媛大学・山口大学・島根大学・香川大学など、いわゆる近隣国立大への合格者は近年やや増加中です。中堅層の生徒が、より現実的で確実な進路としてこれらの大学を選ぶようになっているのかもしれません。

このように、呉三津田高校は呉市内でもっとも大学進学に強い高校であり、その中でも幅広い学力層の生徒が、それぞれの立ち位置に応じた進路を選びやすい学校といえるでしょう。

より詳しく、呉3校(三津田・広・宮原)の進学実績全体を比較した記事はこちらです。

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三津田の偏差値64はどれくらいすごい?大学入試での「思わぬ落差」に注意

高校入試の情報サイトを見ていると、漠然と「呉三津田高校の偏差値は64」といった数字を見かけることが多いです。こういった数字を覚えた上で三津田に入学すると、入学後も「何となく自分の本来の偏差値は64」というイメージを抱きやすいものですが、実際はどうなのでしょうか。

偏差値は「誰と比べているか」で変わる

そもそも偏差値とは、試験を受けた母集団の中での自分の相対的な位置づけを表す数値です。「自分の絶対的な学力」を表しているのではありません

自分の点数がちょうど平均点と同じ場合は偏差値が50になります。偏差値は「上から数えて何%の位置にいるか」を表す目安で、次の表のようになっています。

偏差値上位何%か
702.3%
656.7%
6015.9%
5530.9%
5050.0%
4569.1%
4084.1%
3593.3%
3097.7%

「呉三津田高校 偏差値」などと検索して出てくる各種サイトで、どのような母集団をもとに偏差値を算出しているのかは不明なのですが、仮に三津田の偏差値が64だとすると「上位8.1%」となります。40人のクラスなら上位3~4人です。感覚的にもそんな感じかもしれませんね。

大学受験の母集団は「高校受験よりも強者揃い」

ここで注意が必要なのが、高校入試と大学入試では競争相手となる母集団が全く異なるという点です。

  • 高校入試の母集団: ほぼ全ての中学生
  • 大学入試の母集団: 進学校に所属する高校生のみ

高校進学率はほぼ100%であるのに対し、大学進学率は59%文科省・令和6年度学校基本調査より)です。進学校に行く子たちは、高校入試の段階で学力成績が高かった層であることを考えると、大学入試は「中学生のときに成績が半分より上だった生徒たち」の競争だと言えます。

さらに、高校入試の母集団には学力の高い中高一貫校の生徒は含まれないはずです。しかし大学入試にはこういった中高一貫校の生徒も参入します。そのため、大学受験生の中での偏差値(=相対的な位置づけ)は、中学時代よりはるかに低いところからスタートすることになるでしょう。このあたりの事情を視覚的に表したのが、以下の図です。

高校入試と大学入試の偏差値の違い

ここで述べたことは理屈では当たり前の話ですね。しかし中学時代までは「勉強できる子」として周囲から一目置かれていた存在である自分が、高校に入った途端に「最上位というほどでもない」位置づけになるというのは、急には受け入れがたい部分もあるかもしれません。

入学直後に気持ちを入れ直して、新たな目標に向かって再スタートを切る覚悟が必要ですね。

高校偏差値マイナス10が大学偏差値の目安

さて、よく言われることに次のような説があります。

高校の偏差値 - 10 = 大学の偏差値

もちろん実際には個人差も大きいため、大きな幅のある話なのですが、少なくとも「高校入試のとき偏差値64だったから、大学も偏差値64ぐらいのところに行けるだろう」というのは楽観的すぎる、とは言えるでしょう。

参考までに、呉の高校生が進学先として考えがちないくつかの大学について、ベネッセの模試における偏差値(2024年版)を掲載しておきますね。学部は多くの大学に共通して存在している工学部とし、前期日程の偏差値を調べました。

大学偏差値
九州大学60~64
神戸大学62~64
広島大学56~57
九州工業大学55
愛媛大学48~51
データ出典: マナビジョン【九大神戸大広大九工大愛媛大

この表からも分かる通り、偏差値64ぐらいの大学というと九大や神戸大(いわゆる旧帝大+α)あたりのレベルです。冒頭でおさらいしたように、三津田からこのレベルの大学に進学しているのは毎年10名程度なので、いかに難関なのか想像していただけると思います。

ただし、この記事で私たちが言いたいのは「三津田に入ったら偏差値マイナス10ぐらいのところを目指すのが無難」などということではありません

むしろ、早い段階から競争相手が今までと変わったことを意識し、正しい方法で勉強を積み重ねてほしいのです。そうすれば、一般的に言われているよりもずっと高い目標に達する可能性も高まるでしょう。

国公立大学はそもそも「狭き門」

三津田に限らず、「まずは国公立大学に行きたい」と思う高校生・保護者はとても多いですね。学費も安く、幅広い科目の勉強が必須な国公立大学を目指すことは、もちろん意義深いことです。ここで「国公立大学への道」がどのくらい狭い門なのか、数字で見てみましょう。

国公立大生は大学生全体の4分の1程度しかいない

文科省の最新データ(令和6年5月1日現在)によると、大学生のうち国立大学に通うのは約20%、公立大学を含めても26%程度にとどまっています。次の表をご覧ください。

区分在学者数割合
国立603,97520%
公立168,0725.7%
私立2,177,99274%
合計2,950,038

この数字を見て「思ったより少ないな…」と感じた方も多いかもしれません。そうなんです。大学生の4分の3は私立大学に通っており、国公立大学に通っている学生は4分の1しかいないのです。

言い換えると、「国公立大学に入りたい」と思った時点で、受験生の4分の1しか通れない狭い門をくぐろうとしていることを意味します。

繰り返しますが、「だから国公立なんて無理」という意味ではないですよ。皆さんは高校入試の時点で上位10%の水準に達していたぐらいですから、狭い門をくぐること自体は経験済みなのです。そこは自信を持ってくださいね。

ただ、高校入試で上位10%(≒偏差値64)だったとしても、大学入試を目指す母集団の中では最初は上位30%(≒偏差値55)ぐらいからのスタートかもしれません。その現実を直視せずに「国公立を目指す」と言ってしまうと、目標から遠ざかってしまうでしょう。

「とりあえず国公立」でいい。でも覚えておきたい3つの現実

ちょっと注意していただきたいのですが、「国公立大学が私立大学より上」というわけではありません

何を学びたいか、親元から離れてもいいのか、就職先として県内を考えたいか、などなど様々な事情で「自分にとっての優先順位」が最終的に決まってきます。

入試問題の難易度で言っても、例えば国立大学でいう東大や京大に匹敵するのが、私立大学では早稲田や慶応といった大学です。国公立大学の各大学のレベルに相当する私立大学が存在しているので、「勉強できない人が私立に行く」などといったイメージを持ってはいけません

ですが、高校入学直後など、まだまだ大学で何を学ぶかピンときていない時期に一時的な目標として「とりあえず国公立」と定めるのは以下の点で一理あると言えるでしょう。

  • 同じようなことが学べるのなら国公立の方が学費が安い
  • 国公立の方が入試に必要な科目が多いので、幅広く勉強する意識を持てる

ですから、「とりあえず国公立」と目標を定めて、次のような覚悟を持って高1の時から勉強に取り組んでおくのは価値のあることかもしれません。

  • 国公立に行ける人は4分の1だけ
  • 国公立の方が入試に必要な科目が多い
  • 国公立の方が受験回数が少ない(私立は1つの大学を3~5回程度受験できるが、国公立は事実上1回しか受けられない)

倍率にも注意してください。たとえば広島大学の倍率は2倍前後のことが多く、医学科や薬学科のような人気学科だと3倍を越えるのも普通です(参照: マナビジョン)。呉三津田高校の倍率は近年、1倍を切ることも多いので、2倍や3倍といった倍率の受験に対するメンタル面での耐性をつけにくい現実もあるでしょう。

倍率2倍ということは、当たり前ですが「2人に1人は不合格になる」という意味です。大学入試、特に国公立大学の場合はこのような高倍率であることが多いので、早い段階からイメージトレーニングをしておくのもいいかもしれませんね。

倍率2倍の入試のイメージ

20年以上、三津田の生徒を見てきた私たちの感覚としては、「とりあえず国公立」と口先で言っているだけではあまり成績は伸びません。目標が定まらない間、一時的に「とりあえず国公立」と思うのは悪いことではありませんが、ここで述べたような厳しい現実を知った上で、高い意識を持って日々の学習に取り組んでほしいなと思います。

セルフイメージと目標設定のズレが成績を狂わせる

先ほどは「国公立大学」という目標の高さについて解説しましたが、ここでは「自分に対するイメージ」の持ち方についてお話ししたいと思います。

「三津田だから広大くらいは行ける」の落とし穴

呉三津田高校に入学するのは「中学のとき優秀だった生徒」です。保護者や先生、親戚や近所の人からも「賢い子ね」と評価され、それが本人の中にも自然と根づいているケースが多いでしょう。

こうして知らず知らずのうちに形成されるのが、次のようなセルフイメージです。

  • 「自分はそれなりに勉強ができる」
  • 広島大学くらいなら行けるだろう

ところが実際には、この記事の最初にもまとめた通り、三津田の中でも上位20~25%以内にいなければ、広島大学への一般入試合格は難しいというのが現実です。それにもかかわらず、「三津田に入学=広大が視野に入った」という思い込みのまま過ごしてしまい、学力を伸ばすきっかけを失ったまま高3生になってしまうケースもあります。

高1・高2での目標設定ミスが最終学力に響く

三津田では、恐らく生徒のポテンシャルを引き出すためだと思いますが、先生から「上を目指せ」という趣旨の声かけがなされることが多いようです。第一志望を「広大」と表明すると、「広大ではなく阪大を目指してみないか」といった指導がなされることもあると聞きます。

ライター横川

生徒からの伝聞ではありますが、20年前から今に至るまでずっと聞く話です。

もちろん、意欲を高める意味で高い目標を掲げるのは悪いことではありません。しかしそれが、現在地と乖離した「口先だけの理想」になると危険です。

自分が今どの位置にいるのか、そこからその志望校に届くのか、届くとしたらどんな勉強が必要なのか。そのような現実的な視点が欠けてしまうと、努力の方向がぶれてしまいます。そして、結果として「どこにも届かない」という結末を迎えてしまいかねません。

正しいセルフイメージと目標の把握が早期の努力を引き出す

ここまでに述べてきたように、自分に対する正しいイメージを持ち、「国公立」や「旧帝大」などといった目標の高さに対して正しい理解をすれば、その差を埋めるために「今やるべきこと」が見えてきます。

だからこそ、まずは自分の現状を客観的に知ることから始めましょう。例えば、模試の成績表で全国偏差値と校内順位を把握する、あるいは自分の得点を把握するなどです。校内順位ぐらいは確認する人が多いかもしれませんが、全国偏差値や得点(素点)はどうでしょうか。ドキッ!とした人はすぐに確認してみてください。

本メディアを運営しているコムタス進学セミナーから、かつて東大2人・京大3人の合格者を輩出した年がありました(5人とも三津田生です)。この学年で中心となって勉強を引っ張っていた生徒は、高1の時からベネッセの模試の素点をスマホに記録して次の目標設定に活かしていました。

ライター横川

偏差値は成績が返ってこないと分からないので、試験を受けている最中に意識しやすい「素点」を目標にする…といった理由だったようですが、高1のときからそこまでの意識を持てることに感心したものです。

成績や偏差値は、努力の結果としてあとからついてくるものです。まずは「自分の位置を知り、目標までの差を正しく認識すること」から始めてみてください。必要なのは、才能ではなく「地に足のついた自己理解」です。

三津田から東大・京大・九大・広大・国公立大・難関私大を目指すなら、豊富な実績のあるコムタスへ

高校受験までは「まずは順当な合格」だったかもしれません。しかし三津田からの大学受験は、入ってからの3年間で何をどう積み重ねるかがすべてです。三津田高校という恵まれた環境にいる今こそ、「何を目指すのか」「そこに届くにはどう動くべきか」を本気で考えるタイミングです。

「なんとなく国公立」「広大ぐらいは」――そんな曖昧な目標ではなく、今の自分の位置と目標の高さの違いを明確にすることで、学習への取り組みは大きく変わります。

そして、もし今「このままで大丈夫かな」と少しでも不安を感じているなら、自分の位置と目標を照らし合わせる「第三者の視点」を取り入れてはいかがでしょうか。コムタス進学セミナーでは、単に授業が分かりやすいとか自習室があるだけに留まらず、ママフク®をはじめとする勉強方法の指導も含めて、「頑張り方」を正しくデザインするお手伝いをしています。

三津田高校に入ったことはゴールではなく、チャンスのスタート。今の立ち位置を見つめ直し、その先にある可能性を一緒に描いていきましょう。

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この記事を書いた人

2002年のコムタス創業期から気づけば20年以上、ずっと呉の小中高生たちと過ごしています。担当は物理・化学を中心に理科全般。苦手な子にも「ちょっと面白いかも」と思ってもらえるような授業づくりを心がけてきました。ニックネームは「ハカセ」ですが実際に博士(理学)です。

「ママフク(商標登録済)」という学習法を作ったり、自分でもその効果を試すために気象予報士試験を受けて合格したりと、いまだに実験精神は旺盛です。

プロフィール写真は、かつて一緒に暮らしていたウサギの「らん」と「まろ」。夜中に授業準備をしていると、足元で寝ていたことを今でも思い出します。

このメディアでは、勉強のこと、進路のこと、ちょっとした学びの工夫など、呉の子どもたちと向き合ってきた経験を、少しでも役立つ形でお届けできればと思っています。

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